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ドリームキャスト (Dreamcast) とは、セガ・エンタープライゼス(現:セガ)が発売した家庭用ゲーム機である。一般にはDCやドリキャスの略称で呼ばれる。 ソニーのプレイステーションに劣勢を強いられていたセガサターンに代わる社運を賭けた次世代機として投入された。同世代のゲーム機はNINTENDO64と、本機より後に発売されたプレイステーション2などが挙げられる。 本機の販売終了と同時にセガは家庭用ゲーム機の開発・販売から撤退しており、ドリームキャストは事実上(日本の)セガ最後のゲーム機となった。
外装はプラスチックのみで構成され、天板にはロゴマークの「渦巻き模様とDreamcast」、本体真正面中心に「SEGA」同じく右側には「Windows CE」のロゴがそれぞれプリントされている。また、ゲームソフトを挿入するドライブの蓋は上に開く。本体には正面から見て左側に電源ボタンと、右側に蓋を開くボタンがついており、電源が入ると中心の三角形の部分がオレンジ色に光る(ただし蓋の部分の半透明のパーツは単に装飾として糊付けしてあるだけなため光らない)。右側面に一か所、背面に一か所、底面に三か所、それぞれ排熱用の通気口が設けられ、後方左側面には初期装備のモデムが搭載されている。 コントローラポートは前面に4つあり、分配器を用意しなくても同時に4個までコントローラなどの機器を接続できる。また背面にはシリアルコネクタが1つある。当時はまだUSB接続形式の機器は数が少なかったため、それ用の接続ポートは存在せずキーボードやマウスは専用のものが発売された。 映像処理用のチップが2基搭載された特異な設計のため、製造コスト高となったセガサターンに対する反省と、競合製品の初代プレイステーションを研究した結果、日立製作所が新開発したCPU・SH-4と、NECのグラフィック描画エンジンPowerVR2を採用し、3DCG処理に特化した単純な設計になっている。 ソフトウェア供給媒体は、ヤマハと共同開発した、倍密CD-ROMとしての機能と、同等形状で1GBの容量を持つ独自規格GD-ROMを採用した。その他でGD-ROMを再生する機器はアーケード用ゲーム機以外ではほとんど存在せず、事実上ドリームキャスト用ゲームソフト専用規格のディスクとなった。 他機種にはない機能として、対応したゲームに限られるものの周辺機器の「VGAボックス」を使用してパソコン用のディスプレイに接続し、31KHz出力のVGA解像度画面でゲームを遊ぶことができた。また、この「VGAボックス」はS端子に接続する機能も搭載されており、スイッチによりパソコンのディスプレイとTVからの出力を切り替えることができた。 本機を象徴する最大の特徴として、通信用のアナログモデムを標準搭載した点が挙げられる。モデムを標準搭載した家庭用ゲーム機は1996年3月にバンダイから発売されたピピンアットマークに次いで本製品が2番目である。 ドリームキャスト初期装備のモデムの最高通信速度は日本国内向け純正品の場合33.6Kbpsで、本体からの着脱が可能だった。その後、モデムと交換して使える100BASE-T仕様(ただしソフト側では10BASE-Tでしか使われなかった)のLANアダプタ・「ブロードバンドアダプタ」も通販専用品ながら発売された。 今までのセガのゲーム機とは異なり、後付の大きなオプションや、本体性能を底上げするオプションツール(メガドライブで言うところのメガ CDやスーパー32X、NINTENDO64の拡張パック等)は一切発売されず、前述したブロードバンドアダプタも必需品ではないため、あくまでドリームキャスト本体と、後述するゲームコントローラ用拡張スロットオプションのみですべてのゲームを再生する事が可能である。
付属の標準コントローラはセガサターンのマルチコントローラのデザインを基とした大き目のもので、上部に2つの拡張スロットを装備しているのが特徴。形状の制約と「利用者に引っ張られている感じを与えない」という理由でケーブルはコントローラの下側から繋がっているが、上側からケーブルが出た形状に慣れている人は、コントローラ背面に用意されているスリット(凹部)にケーブルをはさみ込むことで、擬似的にコントローラ上側からケーブルが出ているようにすることもできる。 アナログ入力のスティックと、アナログ入力のL・Rトリガー(一般的なLRボタンとは異なり、比較的ストロークが深く、押し込み具合で入力が異なる)、十字キー、X・Y・A・Bの4個の丸型のボタンと、三角形のスタートボタンが採用されている。十字キーは任天堂が特許を持ち自社製ハードで採用されていたものと見た目が似ていたため「正式に任天堂と契約し、許可を取ったもの」という噂が立っていたが、実際には十字キーの特許は形状によるものではなく、その内部構造についての特許であり、本機のコントローラーは構造が異なっていたため抵触していない。 なお、初期型はトリガーの支点部にスリットが入っていて耐久力が低く、破損による故障が多発した。そのため、トリガーにスリットが無く、十字キーを少し高めにセットした後期型が生産され、セガのカスタマーサポートは修理に出された初期型を不良品として後期型に無償交換していた。 また、本体にはリセットボタンが搭載されてないため、ゲームのリセットはXYAB同時押し+スタートボタンで行う。
拡張スロットには液晶表示付メモリカード「ビジュアルメモリ」、振動パック「ぷるぷるパック」、音声入力機器「マイクデバイス」などが装着できる。 これらの組合せで、ビジュアルメモリの液晶画面にキャラクターを表示させながら、ぷるぷるパックで振動させるなどの表現ができた。反面、接続された各種デバイスによるコントローラ経由の消費電力が増えた。 当初は画面に向かってダイレクトに座標指示するライトガンの機能を追加する「ポインティングデバイス」、コントローラ自体の動きを検出して操作を行う「Gセンサーデバイス」(後に登場することとなるWiiのコントローラ、PS3のSIXAXIS相当の機能をつけるオプション品)も企画されていたが、発売はされていない。ケーブルが後ろ側から出ているのには、そのときに操作しやすいように、という意図もあった。
本機のゲームデータを記録する媒体として採用されたのはモノクロの液晶と十字キー、およびA・Bボタンと、背面にスピーカーが搭載された「ビジュアルメモリ」、通称"VM"である。旧来のゲーム機ではゲームカートリッジ、本体ROM、外部メモリ等が採用されていたが、ビジュアルメモリはその内の外部メモリに相当し、任意で着脱可能である。 ビジュアルメモリには専用のソフトウェアを1つだけダウンロードして再生する機能が組み込まれており、それ自体をゲーム機として利用することも可能である。こうしたミニゲームをダウンロードできる家庭用ゲーム機用の外部メモリはビジュアルメモリが初であり、後に似た製品としてプレイステーション用の周辺機器「ポケットステーション」が発売された。 また、コントローラにセットすることで手元の画面にゲームと連動した映像(ゲーム中のキャラクタの生命力やコンパスなど)を表示させることもできる。この際、ビジュアルメモリは上下逆様に接続されることになるので、接続中に表示される画像もそれにあわせて逆転して表示される。
電力としてボタン型電池(CR-2032、もしくは同等品)を2個使用する上に、下手な使い方をすると数時間も持たないほど電池の消耗が異常に早い。ただし記憶媒体はフラッシュメモリであるため電池が切れてもセーブデータなどは消えず、電池をはめていなくてもドリームキャスト本体が通電している限りはメモリカードやゲームのサブ画面として利用可能である。また、ボタン電池が切れると「ピー」という警告音が長く鳴る。初期製品と後期製品では電池消耗具合が異なり、改善はされていたが、それでも長時間のゲームプレイに耐えられるほどのものではなかった。 また、ビジュアルメモリは保存容量に対する不満の声も多く、搭載されているフラッシュメモリの容量に比して使用されていない予約エリアがかなり大きかったため、ユーザファイル容量を少なくしていた。そういった事情を背景に、携帯ゲーム機としての機能を削除し、バンク切り替え方式によりビジュアルメモリの4倍の容量を持った純粋なセーブ用媒体である「メモリーカード4X」が発売されたが、投入時期が遅すぎた感は否めず、すでに同等、もしくは、それ以上の機能を持つサードパーティ製のメモリーカードが市場を支配していた。また、メモリーカード4Xのアーキテクチャはビジュアルメモリのそれと異なっているため、ソフトウェアによっては必ずしも同じ挙動をしないこともあった。その性質上、メモリーカード4Xはビジュアルメモリ同士の接続やミニゲームのダウンロード、液晶画面による情報表示には対応していない。 ドリームキャストと互換性のあるアーケード基板NAOMIにもビジュアルメモリ差込口が存在するタイプが登場し、ゲームの個人的なデータをセーブしたり、 NAOMI版とドリームキャスト版でデータを連動したプレイをすることが可能となるゲームも存在した。筐体によっては、ドリームキャストのコントローラそのものを使用してプレイできるものもあった。 ビジュアルメモリ自体はドリームキャスト本体よりも先に発売されており、あつめてゴジラという名称で、専用のミニゲームが初期搭載されていた緑色のビジュアルメモリがアメリカ版ゴジラの公開劇場などで先行発売された。このミニゲームはビジュアルメモリ上で消すことは出来ないが、ドリームキャスト上から削除することが可能で、元に戻すことは出来ないが、削除すれば以降は通常のビジュアルメモリとして利用することができる。後にもこのような「ミニゲームとバンドルされた」ビジュアルメモリは複数登場しており、大半はオリジナルカラーで発売された。